新選組風雲録 洛中編

新選組風雲録 洛中篇 (文春文庫)

新選組風雲録 洛中篇 (文春文庫)

 87年に大陸書房から出たまま、出版社が無くなっても長く文庫化されず、なんとなく今年の新選組特需に乗って出た感じからして、やはりいまいちだったな。
 新選組の物語ではあるが、縁あって土方の手下となって働くことになった盗賊が主人公。その盗賊の視点で、新選組の活躍が語られる。最初の頃は、この盗賊と土方とのやりとりや、土方の造形が好みだったこともあって楽しく読んでいたが、中盤から状況説明がだらだら続くという、幕末物というか歴史物の欠点が現れ始めてからは、退屈だった。
 薄い本だし、とっとと読んで終わらせようと思ったら、続きものだった。確かにタイトルには「洛中編」と入っているけど、洛中編は洛中編で一つの話なのかと思ってたよ。が、思いっくそ終わっていない。しかしエンドには「洛中編・完」となってるし、舞台を変えて話は続いているのか? つーか、続きはあるのか? あっても読む気はしないけど。
 今ネットで検索してみたら「激斗編」というのがあるらしい。
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