大江戸猫三昧

大江戸猫三昧―時代小説傑作選 (徳間文庫)

大江戸猫三昧―時代小説傑作選 (徳間文庫)

岡本綺堂「猫騒動」/古川薫「黒兵衛行きなさい」/森村誠一「猫のご落胤」/池波正太郎「おしろい猫」/島村洋子「猫姫」/海野弘「大工と猫」/光瀬龍「化猫武蔵」/高橋克彦「猫清」/小松重男「野良猫侍」/平岩弓枝薬研堀の猫」
 全てタイトルどおり、猫にまつわる短編集。ジャンルが時代小説のアンソロジーということで、ホラーとかミステリという区分けではないためか、様々な猫が登場し、味わいもそれぞれ違っていたのは面白い。
 猫だけに、怪異譚が多いかと思っていたが、普通の猫が小道具になっているといった感じの話が多かった。ただ、全体的に小粒な印象。後味がすっきりしないものも多く、この作家の他の話も読んでみたい、というようなものは無かった。面白かったのは高橋克彦の「猫清」、他には猫好き的に古川薫「黒兵衛行きなさい」、海野弘「大工と猫」が良かった。
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